DPSSの基礎知識最近のトレンドが、緑のレーザーである。同じ赤でも635nmは650nmの倍ほど明るく見えるが、これが532nmの緑となれば8倍明るく見えるのだ!
人間の目は緑の感度が一番高い。しかしレーザーダイオードは短波長のものを作るのが極端に大変。650→635というだけで桁違いに高価になる。まして532nmなど論外。一方で赤外線なら安くてハイパワーなものを簡単に作れる。そこで登場したのがDPSS(ダイオード励起固体レーザー)である。これは、別の固体レーザーを発振させるエネルギー源として赤外線LDを使うものだ。 DPSSの中心パーツは結晶1である。これは、超小型のYAGレーザーだ。 しかしこれはあくまで原理図に過ぎない。それ以前の概念図と呼ぶべきかもしれない。実際にグリーンレーザーを発振させるのは非常に難しい。 反転分布 レーザーの原理はかなり有名で簡単にググれるため、ここで詳しく説明しない。原理ではなく実用上のポイントについて説明する。 CWは難しい ここにCW(連続発振)レーザーの難しさがある。エネルギー密度は励起光を小さく絞るほど高まるが、一方では励起LDのワット数を大きくしても高
まる。だが、連続発振だと消費電力的にも熱処理の面でも、ワット数を大きくするのが難しい。パルスレーザーなら短時間だけ大きなワット数を発生させられる
が、CWレーザーはワット数が何桁も小さくなる。 光軸調整 レーザーと言えば合わせ鏡。結晶1の両側にミラーを設置し、合わせ鏡にする。すると、光が何度も往復し誘導放出でどんどん強化される。反転分布が極端なほど少ない往復で増幅される。 ![]() 固体レーザーの励起方法。(a)LD 側面励起方式、(b)LD 端面励起方式 一般に固体レーザー媒質の形状は円筒形(ロッド) であり、LD 励起固体レーザー(Diode Pumped Solid State Laser:DPSSレーザーまたはDPSSL) は図1 のような方法で励起される。図1(a) はLD 側面励起(LD side-pumped)方式()、(b) はLD 端面励起(LD end-pumped)方式と呼ばれる[1,2]。両方とも共振器内に必要な光学素子を挿入することで、Q スイッチ法やモード同期法による発振動作が可能になる。実際の高出力固体レーザーには水冷または空冷の冷却系があり、3 次元的にLD が配置されている場合もある。 Reference and Links
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