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DPSSの基礎知識

最近のトレンドが、緑のレーザーである。同じ赤でも635nmは650nmの倍ほど明るく見えるが、これが532nmの緑となれば8倍明るく見えるのだ!
 人間の目は緑の感度が一番高い。しかしレーザーダイオードは短波長のものを作るのが極端に大変。650→635というだけで桁違いに高価になる。まして532nmなど論外。一方で赤外線なら安くてハイパワーなものを簡単に作れる。そこで登場したのがDPSS(ダイオード励起固体レーザー)である。これは、別の固体レーザーを発振させるエネルギー源として赤外線LDを使うものだ。

 DPSSの中心パーツは結晶1である。これは、超小型のYAGレーザーだ。
 世界初のレーザーがルビー棒で発振された赤い光であることは良く知られている。YAGはルビーの同類で、一種の宝石だ。ただし発振されるのは波長 1064 nm の赤外線である。肉眼では見えない。
 YAG結晶は 808 nm 近辺の波長を吸収し易いため、この波長の半導体レーザーでエネルギーを与えて発振させる。それを結晶2に通すと波長が半分になり、緑の光となる。結晶2は非線形光学結晶と呼ばれる特別なものだ。レーザーポインターに使われるような相対的に低出力のものは、結晶1と結晶2を貼り合わせたものが使われる。 

 しかしこれはあくまで原理図に過ぎない。それ以前の概念図と呼ぶべきかもしれない。実際にグリーンレーザーを発振させるのは非常に難しい。

反転分布

 レーザーの原理はかなり有名で簡単にググれるため、ここで詳しく説明しない。原理ではなく実用上のポイントについて説明する。
 誘導放出→レーザー発振へと持ち込むには、反転分布を達成せねばならない。反転分布が極端になるほどレーザー発振を実現させ易くなる。
 極端な反転分布を実現させるには、結晶1を強力に励起せねばならない。具体的には励起光のエネルギー密度を高めねばならない。
 つまり、励起用LDをシャープにコリメートせねばならない。

CWは難しい

 ここにCW(連続発振)レーザーの難しさがある。エネルギー密度は励起光を小さく絞るほど高まるが、一方では励起LDのワット数を大きくしても高 まる。だが、連続発振だと消費電力的にも熱処理の面でも、ワット数を大きくするのが難しい。パルスレーザーなら短時間だけ大きなワット数を発生させられる が、CWレーザーはワット数が何桁も小さくなる。
 それだけエネルギー密度も高め難く、レーザー発振させ難いのだ。世界初のレーザー発振として有名なルビーレーザーも、パルス発振だった。

光軸調整

 レーザーと言えば合わせ鏡。結晶1の両側にミラーを設置し、合わせ鏡にする。すると、光が何度も往復し誘導放出でどんどん強化される。反転分布が極端なほど少ない往復で増幅される。
 つまり、励起エネルギー密度が低いと、多くの回数往復させねばならない。これは、ミラーの向きを精密に合わせねばならないという意味だ。CWレーザーでは光軸調整に要求させる精度が非常に高くなってしまう。連続発振DPSS自作で最大の障害がコレだ。
 光軸調整に残る僅かな誤差でレーザー発振してくれない。


    固体レーザーの励起方法。(a)LD 側面励起方式、(b)LD 端面励起方式

一般に固体レーザー媒質の形状は円筒形(ロッド) であり、LD 励起固体レーザー(Diode Pumped Solid State Laser:DPSSレーザーまたはDPSSL) は図1 のような方法で励起される。図1(a) はLD 側面励起(LD side-pumped)方式()、(b) はLD 端面励起(LD end-pumped)方式と呼ばれる[1,2]。両方とも共振器内に必要な光学素子を挿入することで、Q スイッチ法やモード同期法による発振動作が可能になる。実際の高出力固体レーザーには水冷または空冷の冷却系があり、3 次元的にLD が配置されている場合もある。

Reference and Links

  • [1] Sony Japan, “アプリケーションガイド:Laser Diode”
  • [2] 小林喬郎,固体レーザー:日本分光学会測定法シリーズ 37. 2刷,株式会社学会出版センター,2000,266p.



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