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CO2レーザーの励起原理

CO2レーザーの媒質は気体である。炭酸ガス(CO2)を主体にした(N2)とヘリウム(He)の混合ガスをパイレックスガラス内に封入して放電する。

CO2分子は三原子分子であり、炭素原子Cを中心にして一直線上にほぼ0.116 nm 離れた位置に酸素原子Oを左右に持った分子構造になっている。C と O は電子を共有する共有結合となっており、高温になると左右のO が振動を始める。その振動は図1に示すように対称伸縮運動と屈曲運動、非対称伸縮運動の3 種があり、量子数が異なる。それぞれ(001)と(010)、(001)のように表現される。このうち屈曲振動はこの紙面内と紙面に垂直な面内の2 つの面内での振動が考えられるので縮退しており、それを(0100)と(0110)のように表すこともある。励起のエネルギー準位は離散的であり量子化されている。(001)から(100)への遷移では10.6μm、(001)から(020)への遷移では9.6 μm の発振が得られる。

CO2分子の振動モード

図1:CO2分子の振動モード

エネルギー準位

CO2レーザーの発振に関与するエネルギー準位を図2に示す[2]。これらの準位は電子状態としては基底準位にあり、低いエネルギー状態にある。CO2 の振動励起は電子衝突により励起されたN2 からのエネルギー移乗により行われる。N2 はその振動準位ν = 1(2330.7 cm-1)が準安定状態にあり、エネルギー準位がCO2の(001)モードとほとんど同じであることから、共鳴励起によりCO2 がエネルギーを得て励起される。またCO2が電子衝突により直接励起される場合もあり、これらが上準位となりレーザー発振を起こす。上準位の寿命は1 ms 程度、下準位の寿命はその1/100 程度と小さく、容易に反転分布を起こす。

“]CO2レーザーのエネルギー準位図

10.6 μm の上準位と下準位をさらに詳しく回転量子数 J の準位まで示すと、図3のようになる。このようにCO2 では多くの準位が近接しているために、これらの準位間での遷移が起こり、気体レーザーであるにもかかわらず効率が良い。また、CO2 の励起過程では、加えたエネルギーが無駄なくレーザー上準位への励起に使用される。たとえν = 2、ν = 3 や(002)、(003)のような必要以上の高いエネルギーレベルへの励起に電気エネルギーが使われても、結局は(001)のレーザー上準位へと変換され る。そのため、CO2 レーザーの電気エネルギーから光出力エネルギーへの変換効率は10 – 30%に及び、気体レーザーの中でも群を抜いて高い。

波長10.6 μm帯の回転エネルギー準位

図3:波長10.6 μm帯の回転エネルギー準位

Reference and Links

  • [1]低ガス圧軸方向放電励起気体レーザーの研究(2008)、宇野和行
  • [2]C. K. N. Patel, Phys. Rev. Lett. 13 (1964) 617-619.


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